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建替え決議が5分の4から3分の2へ

2016年03月14日

老朽化が進む住宅団地や大型マンションをどう再生するのか。建て替えに必要な住民合意の基準を緩和する都市再生特別措置法の改正案を、政府がまとめた。

 

 複数の建物からなる住宅団地は現在、全国に5000程度ある。その8割が三大都市圏に集中しており、マンションの総戸数の3分の1を占める。

 

 人口が急増していた高度成長期に建てられた団地は、老朽化やそれに伴う空室の増加が目立ち始めている。築45年を超す団地は2015年時点で291あり、10年後には5倍、20年後には10倍に膨らむ。現在の耐震基準を満たしていない団地も少なくない。

 

 改正案では、建て替えに必要な住民合意の割合を一般のマンションの5分の4から3分の2に引き下げる。団地全体を再開発することが条件で、敷地内に高層のマンションを建て、空いた土地を介護施設や商業施設などに活用することを想定している。

 

 現在の基準では建て替えが進まないから、規制を緩めることは理解できる。老朽化した団地では住人も高齢化している場合が多い。建て替えれば若い世代の入居も見込めるだろう。

 

 もっとも、今回の法改正は老朽化するマンション問題を解決する一歩にすぎない。大都市にたっているマンションの多くは団地と比べると敷地に余裕がなく、容積率の面でも高層化することが難しい物件が少なくない。

 

 築年数がかさむと賃貸する割合が増えて、空室も目立つようになる。こうしたマンションでは役員の成り手が不足し、管理組合の活動も低調になりがちだ。建て替えが必要になっても、資金面のめどが立たず、住民同士の話し合いすら難しくなる。

 

 まずは早めにしっかりと修繕して、建物の寿命を延ばすことが欠かせない。管理組合の活動が低調なマンションに対しては、行政が専門家を派遣して相談に乗るような体制づくりも要る。

 

 人口が減り始めた日本では、世帯数も19年をピークに減少に転じる見通しだ。住宅に対する需要そのものが減るわけで、老朽化したマンションの再生はこれまで以上に難しくなるだろう。

 

 住人まかせでは建物や設備が破損し、事実上放置されるような物件が出てきかねない。そうなる前にどうすればいいのか。政府や自治体は真剣に検討すべきだ。(日本経済新聞)

 

 


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