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マンション管理組合の申告漏れ

2016年03月26日

分譲マンションの管理組合で、携帯電話の基地局設置や駐車場の外部への貸し出しなどで得た収入に対して申告漏れを指摘されるケースが相次いでいる。法人格のない管理組合の収入はすべて非課税で申告の必要がないと誤解しているケースが少なくないためだ。心当たりがある場合は、専門家に相談した方がよさそうだ。

 

東京都内のある分譲マンションの管理組合は1月、携帯電話のアンテナ基地局設置による賃貸収入について、利益にかかる法人税や法人住民税など5年間で約70万円の申告漏れを税務署から指摘された。

 

このマンションでは平成18年から共用部分の屋上を基地局として携帯電話会社に賃貸し、年間100万円を受け取っていた。このお金は組合費として、花見や夏祭りなどマンション住民交流のための費用などとして使い、残った分は組合費の口座に貯蓄していた。

管理組合理事長(59)は「税務署からの指摘で納税の必要があることを初めて知った。管理組合だから課税されないと思っていた」と打ち明ける。

 

 マンションの管理組合は一般的に、法人格のない任意組合で、法人税法上の扱いは学校のPTAや学術団体と同じとされる。この場合、営利事業にのみ課税されるが、住民から徴収する修繕積立金や住民が使う駐車・駐輪場の料金などは営利事業ではないので非課税となり、税務申告する必要がない。こうしたことから、携帯の基地局設置による収入も非課税と思い込み、納税しないでいる管理組合は少なくないようだ。

 

 ◆修繕費の足しに

 一方、税務署もこれまで、基地局設置の管理組合に対して税金を払うように積極的に指摘してきたわけではない。税金に関する無料相談サイト「税とお金の相談室」を運営する高橋創税理士事務所(東京都新宿区)の高橋創代表は「基地局設置が増えたのはこの10年ぐらいだが、税務署の指摘が増えたのは数年前から。それまで指摘がなかったのは、見落とされていた可能性もあるが、税務署自身も課税する根拠に自信が持てなかったのではないか」と推測する。

 

それが、国税庁が25年、「基地局設置による収入は、法人税法の収益事業にあたり、課税対象となる」とする判断を示した。高橋代表は「この判断がきっかけで、申告漏れを指摘される管理組合が一気に増えた印象がある」。

 

 同様に課税を指摘されるケースが増えているのが、駐車場の外部への貸し出しによる収入だ。小野山公認会計士・税理士事務所(大阪市中央区)の小野山匠海代表は「居住者の高齢化で車を手放す人が増え、駐車場に空きが出るようになった。管理組合も老朽化した建物の修繕費の足しなどにしようと収益事業に注目し始めている」と指摘する。

 ◆5年分の加算税も

 収益事業は、法人税法で規定されている34種類の事業に該当するもので、継続して事業場を設けて営まれるものが対象となる。マンションの管理組合の場合、企業の広告看板の設置▽自動販売機の収入▽太陽光発電による売電▽住民以外への駐車場や会議室・宿泊施設の貸し出し−などがある。

 

 これまで無申告だったものが収益事業と判断されると、本来納めるべき税金に加え、場合によっては無申告加算税(5〜20%)などを課せられることもある。過去5年分を遡(さかのぼ)ったものを一度に支払わなければならないこともあるので注意が必要だ。

 

 一方、資源ゴミの回収奨励金やフリーマーケットの収入は、収益事業に当たらないので課税されない。

 高橋代表は「収益事業に当たるかどうか、微妙なものもある。心当たりがあって心配ならば税理士など専門家に相談してほしい」と話している。(産経)

 


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