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国交相に4つの要望 民泊に「居住環境確保の配慮を」

2016年03月12日

マンション管理業協会はこのほど、石井啓一国交相に「今後のマンション政策のための要望」を提出した。 

 今後の良好なマンション管理の実現と、多様化・複雑化する管理ニーズに対応した居住環境の確保などを目的としたもの。具体的には、「民泊を実施する場合、管理組合等の意向を尊重しマンションの良好な居住環境が確保されるよう十分な配慮を求める」「標準管理委託契約書の改訂」「外部専門家活用についてのガイドラインの作成」「適切な計画修繕の実施に向け実効のある支援措置」の4点を要望した。

 

今後のマンション政策のための要望

一般社団法人マンション管理業協会は、全国の分譲マンションの9割以上の管理を行う業者の団体として、マンションの良好な生活サービスの提供に取り組んできたところである。

今やマンション戸数は610万戸を超え、居住者も1,500万人以上と、我が国の都市における基本的な居住形態となり、今後は地方も含めてさらに増加が見込まれている。

しかしその一方で、建物の経年劣化と区分所有者・居住者世帯の単身化を伴う高齢化という、いわゆる「マンションの二つの高齢化」が年とともに着実に進行しており、大規模修繕等の実施や高齢者等の良好な居住の確保に懸念が生じている。

また、空家の増加、いわゆる“民泊”の動きなど、管理ニーズも多様化・複雑化しており、環境変化に対応した適切な対応がとられなければ、今後我が国のマンション居住の質の確保が困難になり、ひいては都市居住の安定が損なわれることにもなりかねない。

こうした状況に対処するためには、計画的な修繕積立や高齢者ニーズに対応した居住者サービスの提供をはじめ、早い段階から将来を見通した適切な対応体制づくりが不可欠である。

当協会としては、我が国の今後の良好なマンション管理の実現とマンション居住者ニーズに的確に対応した居住環境の確保のために、以下のような政策要望を行うものである。

 

【要望1】

 高経年化マンションを中心にした適切な計画修繕等の実施に向け、実効ある支援措置を講じられたい。

① 消費税率引上げに対処するため、管理組合が発注する大規模修繕工事については、税率改定による上乗せ費用分に見合う助成制度を創設すること。

② 耐震基準に満たないマンションの耐震改修工事を促進するため、国としても工事の実施を支援する助成制度を行うこと。

③ 適切な大規模修繕工事等の企画やそのための調整を行うことのできる専門家制度の創設とその育成に積極的に取り組むこと。また、その際には、当協会の認定資格である「マンション維持修繕技術者」を活用すること。

 

≪趣旨≫

・ 一昨年春と来年春の消費税率引上げは長年にわたり計画的に積み上げてきたマンションの修繕積立金が一挙に不足する事態を生じさせている。リフォーム工事費の高騰とも相まって、計画修繕工事の中止、先送り、工事範囲の縮減等が余儀なくされる状況となっており、本来行われるべき計画修繕工事が実施されなければ、景気にもマイナスの影響がある。今後のマンションの居住環境の悪化を防ぐために、政策的支援により所要の水準の修繕積立金を確保し、着実に修繕を実施していく必要がある。(当協会では、平成28年度税制改正要望において、「大規模修繕工事にかかる消費税の軽減税率の適用」を要望していたところ)

 

・ 協会の「旧々耐震基準マンション耐震化フォローアップ調査」を見ても、耐震基準に満たないマンションの耐震化は、ほとんど進んでいない。マンションは、大規模災害時等の避難先となる一方、倒壊すれば周辺への影響も大きい。地方公共団体による支援は限定的で、全国ベースの支援による実効ある耐震化への取り組みが急務である。

 

・ 区分所有者・居住者の利害調整・合意形成は、マンションの大規模修繕や建替えにおける最大のボトルネックである。その課題を解決するには、マンションの日常生活・管理、法制度、建築等全般に通暁し、区分所有者・居住者一人ひとりの実状を踏まえて調整に当たることができる専門家制度を創設して、その育成を促すことが不可欠である。当協会では平成14年度から「マンション維持修繕技術者」の資格認定制度を実施し、ソフト面や調整を含めた修繕の専門家育成に取り組んできたところである。

 

【要望2】

 居住者ニーズの変化に対応し、マンション居住の質の向上に合わせた「標準管理委託契約書」の改定について、検討をお願いしたい。

 ≪趣旨≫

・ 安全・安心・快適なマンション居住を実現するうえで、防犯・防災、コミュニティ、美化活動といった良好な居住環境形成への取組みは極めて重要である。現実にはそうしたサービスの企画立案・業務支援等の多くが、契約書に明記されないまま管理業者から“無償”で提供されている。理事会支援業務などとされるマンション管理業務のソフト的な側面のかなりの部分も同様である。こうしたマンション管理の重要な要素である業務について、標準管理委託契約書に明記して正当な対価を得られるようにすることが、契約内容に関する紛争を防止し、マンション管理の質の向上に大きく資すると考えられる。

 

・ 最近のマンションにおいては、専有部分を中心にした付加価値サービスの提供や生活支援のニーズが高まっているが、現行の契約では共用部分の管理を受託する管理業者が個々の居住者の要請にどこまで応じられるかが明確でない。日常的に居住者に最も近い所にいる管理業者が、種々のサービスの企画や高齢者支援も含め、個々の居住者ニーズに対応できる枠組みを標準管理委託契約書等で示して頂きたい。

 

・ これと併せて、高付加価値サービスの役務提供やコミュニティ活動など、将来の先導的なマンション管理の取組みについてモデル事業を検討して頂きたい。

 

【要望3】

外部専門家の活用についてのガイドラインを早期にお示し頂きたい。

≪趣旨≫

・ 現在、マンション管理適正化指針、標準管理規約およびコメントの改正パブリック・コメントが公表され、管理組合の外部の専門家の活用の基本的パターンが示されている。そこでは、当該専門家が管理組合の管理者(理事長)や理事および監事に就任することも想定されており、その場合には、管理組合の資金を取り扱ったり、管理組合運営の中枢的業務を行ったりすることもあることから、管理組合に当該専門家の選定を委ねるだけではなく、国土交通省より資格要件や財産的基礎、発注等についてのガイドラインを早期に示して頂きたい。

 

【要望4】

 いわゆる“民泊”を行おうとする場合には、管理組合等の意向を尊重し、マンションの良好な居住環境が確保されるよう十分配慮されたい。

 ≪趣旨≫

 ・ 民泊を行う旅行者は、建物設備に対する利用意識やマナー、生活習慣等が居住者と異なることが多い。居住を目的とするマンションは、生活の本拠としての平穏さを確保することが必要であり、ルール化をする際には、その点について管理組合・居住者の意向を第一に尊重するよう配慮されたい


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