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共有と総有の違い

2016年03月19日

ある物は、一人が所有権を有していることもありますし、2人以上が共同して所有権を有していることもあります。
この、2人以上が一つの物に対して一定の割合で所有権をもつことを、共有といいます。

共有者は、共有物に対して、一定の割合で持分を有します。持分(権)とは、共有における各共有者の所有の割合のことです。

例えば、数人が共同してある物を買って共有する場合、共有者間で話し合って自由に持分を決めることができます。A・B・Cの3人がいたとして、Aは6分の3、Bは6分の、Cは6分の1、などです。そうした定めがない場合には、各共有者の持分は平等であると推定されます(250条)。

 

持分権は、通常の所有権同様、処分(売買や、担保権の設定など)ができます。例えば、夫Aと妻Bがマンションについて各2分の1ずつの持分権を有している場合、夫Aは、自分の持分権(マンションの2分の1の共有権)についてだけ抵当権を設定してお金を借り入れることもできますし、持分権を第三者Cに売ってしまうこともできます。

各共有者は、原則として、いつでも共有物の分割を請求できます(256条1項本文)。
例えば、土地を分割してそれぞれの単独所有としたり、共有物を第三者に売却してその代金を分配したり、一部の共有者が全部の所有権を取得して他の共有者に代金を支払う、などの方法があります。
  

総有は、各人が持分権の観念されない共有形態をいいます。最高裁は、権利能力なき社団の財産は、構成員に総有的に帰属するものであり、構成員は、当然には共有持分権又は分割請求権を有するものではない」(最高裁昭32.11.14判決)と判示しています。

 

権利能力なき社団には法人格が与えられていないという専ら法技術的な問題から、権利義務の主体となることができません。そこで、実質的には権利能力なき社団自体に権利義務が帰属しており、構成員各人がこれについて何らかの権限を有するわけではない、という状態を説明するものとして、「総有」という概念が用いられるのです。


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