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不在区分所有者に対する活動協力金(判例)

2016年03月02日

不在区分所有者に対して、居住区分所有者が支払う管理費や修繕積立金より2500円高額(15%高率)な費用を請求しても適法であると判示した最高裁判所の判決があります。

 

このマンションは、868戸のうち不在区分所有者の戸数は170~180戸になっていました。大きな団地でもあるため、役員総数は32人と多人数を必要としていたのです。月1回の定例理事会ほかに臨時理事会があり、役員は無報酬で働いているという状態でした。

 

そこで不在組合員に「活動協力金」を請求するために、総会で4分の3以上(建物所有者及び議決権)という多数の特別決議を経て、管理規約を改定しました。そして175戸の不在組合員のうち、158戸が支払いに応じたそうです。

 

 しかし、14戸の専有部分を複数所有している7人が拒否したため、管理組合は7人に対して裁判を提起しました。そのうち、2人は和解に応じて2500円を支払うことに同意したので、残る5人が、最高裁判所判決の対象者となりました。

 

最高裁は、本件マンションは不在組合員が増加し、役員になる義務を免れているだけではなく、日常的な労務の提供などの貢献もせず、一方で居住組合員だけが役員に就任し、各種団体の活動に参加するなどの貢献をして保守管理に努めているおり、不在組合員はその利益のみを享受している状況にあったと判断しています。

 

 そして、不在組合員は業務を分担することが一般的に困難であるから、一定の金銭的負担を求め、本件マンションにおいて生じる不在組合員と居住組合員との間の不公平を是正したことは、必要性と合理性を認められないことはないとして最高裁判所は「協力金」が妥当であると認容しました。

 

この判決では、不在組合員の割合、管理費等との割合、反対者の割合等を比較衡量して有効としたものです。この管理組合では当初5,000円とした住民活動協力金を裁判の過程で高いとされ2,500円に変更しています。

 

 

ただし、2,500円なら有効と判断するのは危険であり、不在組合員の割合、管理費等との割合、反対者の割合等からみて2,500円でも無効になる可能性があると考えるべきです

 

このマンションの選挙規定で役員となる資格は、区分所有者、その配偶者、3親等以内の同居親族で、本件マンションの居住者である者に限定されています。

 

 したがって、区分所有者であっても居住していないと役員の順番が回って来ることもないし、自ら役員になることもできない選挙規定になっていたのです。

 

 役員を居住者に限定する理由は、(1)居住していないとマンションの事情や居住状況に詳しくないのではないか(2)緊急事態が発生しても対処できないのではないか(3)投機的にマンションを購入した区分所有者がいると、マンションを住む場所というより投機的に運用されるのではないか、という危惧からだと言われています。

 

 特に(3)は、バブルの頃の居住者と買い占め屋との対決や、今後予想される建て替え事業などについても同様に買い占めが予想されるからとされています。


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