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アフターサービスと瑕疵担保責任

2016年03月01日

アフターサービス期間が経過したからといって、瑕疵担保責任を問うことができなくなるものではありません。

 

1. アフターサービスの意義と法的性格

 さて、建物の不具合に関する紛争は、売買に伴って最も頻繁に発生する紛争であり、売買契約によって、できるだけ紛争が生じないような扱い方を取り決めておく必要があります。

 

 また、売買に関し、民法上瑕疵担保責任の内容は損害賠償及び解除となっており、瑕疵の修補は瑕疵担保責任の内容に含まれていません。

 

しかし、新築住宅の売買では、瑕疵に基づく不具合が生じても修補義務を負わないというのは、一般的な取引通念に反するといわざるを得ないでしょう。

 

 そこで、建物の不具合に関する紛争を予防し、瑕疵の修補を認めない民法を補完するため、新築住宅の売買契約では、多くの場合に、アフターサービスが付けられています。

 

 アフターサービスは、引渡し後、住宅に一定の不具合が生じたときに、無償修補を行うとする契約上の合意であり、瑕疵の有無にかかわらず、契約上の責任として、売主が修補を行うものです。

 

2. アフターサービス期間

 アフターサービスによる補修は、瑕疵がある場合に認められる瑕疵担保責任とは異なります。

 

アフターサービス期間と瑕疵担保の責任期間も別の事柄です。アフターサービス期間が経過したからといって、瑕疵担保責任を追及できなくなることにはなりません。

 

3. 裁判例

 アフターサービスは、売買だけではなく、請負においても一般的です。

 

 部位によって半年ないし2年のアフターサービスが付けられていた請負契約において、天井ボードの剥がれ(はがれ)落ちなどについて、アフターサービス期間経過後に、注文者Xが建設業者Yに対し、瑕疵担保責任による損害賠償を求めたところ、Yがアフターサービス期間経過を理由に、損害賠償請求を拒んだ事案がありました(前橋地裁平成16年1月23日判決)

 

 裁判所は、 「Yは、契約書添付の 『アフターサービス規準適用上の留意事項』に記載されたアフターサービス期間が瑕疵修補期間を定めたものであることを前提とし、Xが同期間内にYに対し瑕疵修補請求をしなかったので、Xに対し建物の瑕疵に基づく損害賠償義務を負わないと主張したが、このアフターサービス期間が瑕疵修補期間を定めたものであるかどうかは、当事者であるXとYの合理的な意思解釈によって決すべきものである。

 

 

 そして、アフターサービス期間は半年ないし2年に限定されていて、木造建物である本件建物の瑕疵修補請求権の法定の除斥期間である5年(民法638条1項) を大幅に下回る期間となっている。

 

そのため、アフターサービス期間が瑕疵修補期間を定めたものとすると、Xは大きな不利益を被ること、

 

『アフターサービス規準適用上の留意事項』と題する書面には、アフターサービス期間を経過した場合に瑕疵修補請求ができなくなることが明記されていないこと、などの諸事情にかんがみると、

 

XとYの意思としては、アフターサービス期間が瑕疵修補期間を定めたものであり、同期間が経過するとXが瑕疵修補請求をすることができなくなることにするまでの意思はなかったものと解するのが合理的である」として、アフターサービス期間経過後であっても、瑕疵担保責任を追及することができると判断しました。

 

4. 宅建業法と住宅品質確保法

 瑕疵担保責任については、このほか、宅建業者が自ら売主となる場合には、瑕疵担保責任を引渡日から2年未満とする特約は無効となること(宅建業法40条1項、2項)、

 

新築住宅の売買では、構造耐力上主要な部分、又は、雨水の浸入を防止する部分の瑕疵について、10年間の瑕疵担保責任が強制され、これに反する特約は無効となること(住宅品質確保法94条1項・2項、95条1項・2項) の2つが、いずれも重要なルールです。この機会に再確認しておいてください。

 


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